これを一定の幅で50メートルや100メートル分を芯に巻いて納品するのですが、全体でどのくらいの重量になるのか計算するのは少々面倒です。
なぜなら一般的に、基準となる素材の比重が1c㎥(立法センチメートル)当たりとなっているからです。
基準となるこの比重は、縦・横・高さがそれぞれ1センチメートルであるのに対し、製品は高さ(厚さ)がμmレベルしかありません。
◆ cm 100分の1メートル
◆ μm 100万分の1メートル
双方の単位には1万倍の開きがあります。このように単位に開きのある数値を掛け合わせるのはやっかいです。
紙においては、「坪量(つぼりょう)」という重さの基準があり、これは紙のように薄いもの、つまり薄膜の類いが1メートル四方の状態における重さを指します。ただし、薄膜の厚さがそれぞれ異なるため、その体積は一律ではありません。厚さにかかかわらず、平面として見た状態を1㎡(平方メートル)に単純化した重量です。薄膜の場合、比重よりも坪量を基準に使う方が簡単になります。
では例えば厚さ25μmの薄膜の坪量を計算してみましょう。
重さの基準となる比重が1c㎥当たりなので、平面的に見た1㎡では何c㎥になるのかを先に計算します。
では縦・横・厚さをそれぞれcmに置き換えます。
◆ 縦 1m×100=100cm
◆ 横 1m×100=100cm
◆ 厚さ 25μm÷10000=0.0025cm
そして以下の式で体積を計算します。
100cm×100cm×0.0025cm=25c㎥
ここで注目すべき点は、平面の面積をcmで計算する時、その積が10000になります。
その一方で、厚さのμmをcmに置き換えるには10000で割ることになり、ここには相殺関係が生まれています。ならばこの部分は省略できますね。
ここから導き出せるのは
Nμmの薄膜の1㎡当たりの体積はNc㎥
という等式です。
よって厚さがμmレベルの薄膜の坪量を計算する簡単な方法は、
厚さがNμmの場合;
N×比重=坪量
という式が成り立ち、面倒な中間計算が一切省けます。
坪量が割り出せれば、芯に巻いた薄膜の重量も、後はその幅と長さが分かれば簡単に導くことができます。
厚さが25μmで比重が2.1g/c㎥の場合、坪量は
25 ×2.1g/c㎥=52.5g/㎡
となります。
そして、その薄膜の幅が25cm、長さが50mである場合;
0.25m×50m=12.5㎡
そして、その薄膜の幅が25cm、長さが50mである場合;
0.25m×50m=12.5㎡
となり、これらを掛け合わせると
坪量52.5g/㎡×面積12.5㎡=656.25g
坪量52.5g/㎡×面積12.5㎡=656.25g
で総重量が分かります。
結論としてまとめると
結論としてまとめると
【厚さがNμmの薄膜の坪量(g/㎡)はN×比重(g/c㎥)】
となります。
つまり薄膜の場合、素材の比重よりも坪量を基準にして考えると、その総重量を求めやすくなります。
つまり薄膜の場合、素材の比重よりも坪量を基準にして考えると、その総重量を求めやすくなります。